歯と口の基礎知識

歯医者が怖くなくなる方法は?

歯医者が怖くなくなる方法は?
歯医者が怖くなくなる方法があれば知りたいのは、大人も子供も同じはないでしょうか。なぜ歯医者が怖いと思うのか、また怖くなくなる方法はないかについて詳しくご紹介いたします。

なぜ歯医者が怖いのか

歯医者が苦手な人は一定数おられ、その理由もさまざまです。まずは、歯医者に対する怖いという感情がどこから来るのかを知りましょう。歯医者が怖いと感じる主な原因は、子供の頃の通院体験に由来するという方が非常に多いです。

痛みに対する不安

  • 「麻酔が効かなかったら痛い」
  • 「治療の器具がとがっていて痛そう」

歯医者に行って治療が痛かったという経験をされた場合はこの不安が大きく占めます。

音や匂いが苦手

  • 「ドリルのキーンって音が怖い」
  • 「歯医者特有の独特な匂いがとても苦手」

歯は耳の近くにあるため、耳元で聞く人工音や、歯科医院独特の薬剤のにおいが不快であるという方もおられます。

過去のトラウマ

  • 「無理やり口を開けさせられて痛い思いをした」
  • 「マスクしてる怖い大人の先生に怒られた」

嫌がったのに無理矢理大人に開けられたり、見た目が怖い先生に虫歯で怒られた経験があるとどうしてもトラウマになります。

何をされるか分からない不安

  • 「どんな治療をするのか全くわからない」
  • 「何をするか知らないまま先生に口を触られる」

治療についてわかりやすく説明されないまま、治療が始まると、口を開けている以上何が行われるのか不安になります。

閉鎖的な空間にいる恐怖

  • 「口を開けっぱなしで逃げられない感じがする」
  • 「口を触られるとおえっとなる」

口を開けてチェアーに座っている以上、歯科医院での治療を終えない限り出ることは出来ませんし、嘔吐反射が強い方もおられます。

怖い場所と言われていた

  • 「しっかり歯磨きしないと痛くなって歯医者さんで怖いことをしないといけない」

小さい頃から歯医者さんは痛くなってから行く場所と認識していると、歯医者は怖い場所と思ってしまいます。このようなことが積み重なれば、歯医者へ行くのは怖いというイメージが強くなってしまうのです。

歯医者が怖くなくなるための心構えと準備

歯医者に行く前の心構えや準備をしっかりしておくことで、不安を和らげることができます。

① 怖いのは自分だけじゃないと知ろう

実は、大人の約3割が歯医者に対して不安であったり、トラウマをお持ちという調査データがあります。そのうちの約1割は歯が痛くても歯科へ通院することができないほどのいわゆる歯科恐怖症と呼ばれる方です。歯科恐怖症の方は、先生を目の前にすると心拍数が上がってしまって、治療がうまくいかないことがあります。歯医者が怖いのは自分だけじゃないと知るだけで、気持ちが少し楽になると思います。

② 事前に治療の流れを知っておく

歯医者の公式サイトや口コミをチェックしておきましょう。治療内容の説明がないという口コミが多い場合は医院選択肢から外し、説明がしっかりしている医院を探しましょう。初診時にどんな治療を受けるか確認し、どうしても不安な点があれば治療前に歯科医師やスタッフへ質問して相談するというのは大切です。

③ 予約の時間を工夫する

仕事や学校の後では疲労がたまった状態で受けることになり、麻酔が効きにくい可能性があります。なるべくリラックスできる時間帯や休日に予約を入れましょう。また、朝一番の予約なら、待ち時間のストレスが少なくてすみます。

リラックスして治療を受ける対策

治療中にリラックスできる方法を知っておくと、怖いという気持ちを和らげることができます。

① 深呼吸を意識して行う

緊張すると交感神経が働き、呼吸筋が浅くなりくつろげない状態になります。なるべく鼻からゆっくり息を吸い、口から細く長く息を吐きましょう。副交感神経を優位にさせるように、呼吸の状態を安定させると、リラックス効果が上がります。

② 治療中の合図を決めておく

「痛かったら手を挙げてください」と医院から言われる場合が多いですが、もし言われない場合は事前に伝えておきましょう。ちょっと休憩したいと意思表示ができる環境であれば安心感があります。とにかく、スタッフと細かくコミュニケーションを取れる医院というのが大切です。

③ 目をつぶる・天井の一点を見つめる

目をつぶることで、器具や治療の様子を見ないようにできます。アイマスクなどを持って医院へいくというのも一つの方法です。目をつぶる方が怖いと感じる場合は、天井のライトや模様に集中することで、意識をそらしてみましょう。

怖くない歯医者の選び方

歯医者の選び方を変えるだけで、歯科治療への不安がグッと減ります。下記のようなポイントを押さえて歯医者を選びましょう。

① 優しい先生やスタッフがいる歯医者を選ぶ

  • 患者の気持ちに寄り添ってお悩みや痛みを聞いてくれる
  • 患者が同意するまで治療前にしっかりと説明してくれる

歯科医院へ通院するには勇気がいる場合は、公式サイトや口コミを参考にし、上記のような表記がある公式サイトに注目してください。ただし、口コミに関しては他の人の感想で、賛辞ばかりの口コミの医院も疑問が残りますのであくまで参考程度にしてください。周囲(家族や友達)にその医院へ通院していれば詳しく聞く方が医院の雰囲気を掴めます。

② 無痛治療を取り入れている歯医者を選ぶ

無痛治療を取り入れている歯医者であれば、麻酔の種類も多く、それにより痛みを除去したり少なくしてくれるものです。痛みを和らげる麻酔にも様々な種類があります。

表面麻酔

歯科治療の際の注射針の痛みを和らげるために用いられる方法で、お口の粘膜に麻酔薬を塗って粘膜の感覚を鈍くし、針を刺す時の刺激を軽減します。これを行うと麻酔時の痛みが大幅に軽くなり、リラックスした状態で治療を受けやすくなります。痛みに敏感な方やできるだけ負担の少ない治療を希望する方には表面麻酔は欠かせません。ジェルやスプレーなど種類も豊富になっており、より快適な処置が可能になっています。

局所麻酔

虫歯や神経の治療でよく使われる注射による麻酔で、歯茎に薬を注入して神経の働きを遮断することで痛みを和らげます。小規模な手術にも対応できるほど効果が高く、通常の虫歯治療なら十分な鎮痛が可能です。ただし、炎症が強いと麻酔が効きにくくなることがあり、抗生物質や消炎鎮痛薬を事前に服用のうえ、炎症を抑えてから治療を進めることが大切です。

伝達麻酔

歯茎ではなく顎の神経の根元に麻酔を作用させる方法です。広範囲の痛みを遮断できる便利な手法ですが、片側の顎全体が痛みに麻痺するため、使用頻度は高くありません。主に治療範囲が広い場合や長時間の処置が必要な際に用いられ、大掛かりな治療で活躍します。

静脈内鎮静法(セデーション)

不安を和らげるための治療法で、睡眠薬に似た成分を点滴で投与し、うとうとした状態で歯科治療を受けられるようにします。治療を行う歯科医師の他に、麻酔科医が患者さんの全身を管理し、呼びかければ答えられる程度の意識を保ちます。治療中の内容をあまり覚えていないことが多く、歯科治療への恐怖心が強い場合に有効なので、事前に相談してみるとよいでしょう。

笑気麻酔

笑気(亜酸化窒素を主とするガス)を鼻から吸入すると鎮静状態になり、痛みや音への不安が和らぎます。治療後は30分以内に体外へ排出され、体内に留まることなく、副作用もほとんどありません。嘔吐反射が強い方にも有効で、負担を軽減できますが、不安が強い場合は他の麻酔の種類も選択肢となります。

③ 設備が整っている歯医者を選ぶ

最新の治療機器があることで、より体に負担が少ない治療法が選択できます。また、話しやすいリラックスできる環境であるかどうかは、医院の雰囲気を確認しましょう。メール相談や、ライン相談などがある医院であれば、そちらを活用して歯科が怖い旨を伝えてみましょう。その医院で対応されている歯科治療などが見えてくるかと思います。

絶対に避けるべき歯医者

すぐに治療を始めなければならないと、説明や費用についてきちんとしていない歯医者はやめましょう。また、痛みがあると訴えているのに無理やり治療を進めようとしている場合も同様です。歯医者選びが不安を和らげる大きなポイントになります。

歯医者が怖くないよう習慣を見直してみる

歯医者が怖くなくなるには、日常の習慣を見直すことも大切です。

そもそも虫歯にならないようにする

毎日の歯磨きをしっかり行いましょう。歯ブラシのみではなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯垢や食べかすを取り除いてください。定期的に歯科検診を受けておくと、歯医者で歯を削るなどの治療を行わず歯を健康に長持ちさせられます。

小さな治療に慣れる

歯医者へ行くことに慣れるため、最初はクリーニングだけ受けてみるのはどうでしょうか。歯がつるつるになり、不快感がなければ、少しずつ歯医者へ行くことに抵抗感は無くなります。

歯医者は怖いというイメージを書き換える

歯医者に行くことは健康な歯を守ることとポジティブに考えましょう。痛みが出たら行かなければならないとなると、恐怖感が出ます。健康な状態を保つために行く場所と考えると少しは安心できると思います。

まとめ


歯医者が怖いと感じるのはごく当たり前であり、場合によっては工夫次第で和らげることができます。信頼できる医院を選び、深呼吸などをしてから歯医者へ通院し、無理なく慣れる方法を試しましょう。怖さを少しでも減らし、健康な歯を守るために定期的に歯医者に通う習慣をつけると良いです。